奨学金の新設と拡充 成果報告

受給者レポート:愛和会緩和ケア看護奨学金

大木 悦子さん

総合人間科学研究科 看護学専攻

大木 悦子

 このたび愛和会緩和ケア奨学金をいただくことになり、喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。

 入学前、わたしは急性期病院で看護師として勤務していました。子育ての時期が重なり、毎日が慌ただしく過ぎていく日々の中で、わたしのしていたことは、単調なルーチンワークと患者さんとのおしゃべりだけ。本当の看護とは何かを考えたいという思いがどんどん膨らんでいきました。

 そして、子どもが小学校に入学するのを待ち、大学院で看護を学ぶことを決めました。家族も応援してくれ、勤務先より2年間の自己啓発休業を取得することができました。

 入学してからの毎日はとても刺激的です。キリスト教や看護理論といった新しい知見がわたしの根底をゆすぶります。また、自ら学ぶ楽しさを知りました。ひとり静かな図書館で過ごす時間は至福の時です。

 専攻はがん緩和ケアです。病院では生物医療的なケアが中心になりがちですが、高齢がん患者さんにとって特に必要な看護は、心のケアです。これは多くの研究が報告しています。つまり、おしゃべりこそがわたしにとっての看護だったのかもしれません。

 そこに興味を持ったわたしは、通学の傍ら、自ら訪問看護ステーションを体験し、がん患者さんの集まるサロンでボランティアも始めました。病院の外でみるがん患者さんは弱者ではなく、がんであっても地域で生き生きと生活しています。医療現場では気が付かなかったことです。

 今後、高齢がん患者さんを全人的に捉えた看護をテーマに研究を予定しています。奨学金を頂くということは、これらの知見を自らに留めず、社会に還元してくことです。ママさん院生、がんばります。

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